11/19-B1乳酸菌普及協会

11/19-B1乳酸菌 LABO

11/19-B1 Laboratory of Lactic Acid Bacteria LABO

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11/19-B1乳酸菌

LABO

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11/19-B1乳酸菌とは
11/19-B1乳酸菌(酸菌ラクトコッカスラクティス、Lactococcus lactis 11/19-B1 )は、
キウイフルーツから発見された新しい乳酸菌です。
ヨーグルトなどの発酵食品に利用される、ラクトコッカス属の乳酸菌です。
11/19-B1乳酸菌(酸菌ラクトコッカスラクティス、Lactococcus lactis 11/19-B1 )は、
キウイフルーツから発見された
新しい乳酸菌です。
ヨーグルトなどの発酵食品に利用される、
ラクトコッカス属の乳酸菌です。

撮影/許諾:帝京大学医真菌研究センター 客員教授 西山彌生

撮影/許諾:帝京大学医真菌研究センター 客員教授 西山彌生

11/19-B1乳酸菌の発見

東京大学薬学部教授(当時)の関水和久博士

11/19-B1乳酸菌は、東京大学薬学部教授(当時)の関水和久博士によって発見されました。

食品の中には免疫活性化作用(免疫力を高める働き)を持つものがあり、その強さは食品によって様々で(※)。関水博士は2008年、カイコの幼虫を使って、食品の免疫活性化作用を測る画期的な方法を開発しました。そして人々の健康のため、免疫力アップに役立つ食品をこの方法により探索していきます。特に乳酸菌については、キムチなどの発酵食品や土、植物の葉や果実などから見つかった色々な種類を研究しました。

研究を続けるなか、関水博士は福島県の東北協同乳業(現 酪王協同乳業)と出会います。 同社は東日本大震災後、原発事故による風評被害を受けた地域や酪農乳業の復興に力を注いでいました。2013年2月、「悪しき風評には良き風評で立ち向かおう」を合言葉に、両者は乳酸菌に関する共同研究を開始。 その共同研究により発見されたのが、一般的なヨーグルト等に使われる乳酸菌に比べ免疫力を高める働きが非常に高い、新種の11/19-B1乳酸菌です。この11/19-B1乳酸菌は2019年に特許を取得しました。(特許第6505018号)

※ここでの「免疫」は自然免疫のことを指します。自然免疫についてはコラムをご覧ください。

他の乳酸菌との比較

11/19-B1乳酸菌は、他の乳酸菌に比べて免疫活性化作用が非常に高いことが報告されています。(図1、図2参照) 図1は、カイコを用いた方法で様々な乳酸菌の免疫活性化作用を測定した結果です。(参考文献(1))

また、図2はマウスを使った別の実験により各乳酸菌の免疫活性化作用を測定した結果です。いずれの結果でも11/19-B1乳酸菌は他の乳酸菌に比べ高い免疫活性化作用を示しています。

図1

Nishida S, Ono Y, Sekimizu K. Lactic acid bacteria activating innate immunity improve survival in bacterial infection model of silkworm. Drug Discov Ther. 2016 Feb;10(1):49-56. doi: 10.5582/ddt.2016.01022.

図2

西田智、石井健一、浜本洋、関水和久「シルクワームを用いた自然免疫を活性する 乳酸菌の評価」
日本動物実験代替法学会第27回大会(2014)

病原菌への抵抗力アップ

11/19-B1乳酸菌は、病原菌である黄色ブドウ球菌や緑膿菌に対するカイコの抵抗性を高めることが、実験から明らかになっています。(参考文献(2))

11/19-B1株を用いて製造されたヨーグルトを給餌したカイコに黄色ブドウ球菌を接種して、 11/19-B1乳酸菌を投与せずに黄色ブドウ球菌を接種させたカイコとの生存率を黄色ブドウ球菌接種後の時間の経過に合わせて上図であらわしています。

11/19-B1乳酸菌を投与したカイコは黄色ブドウ球菌感染症に対して高い抵抗性を示しました。 このことは11/19-B1乳酸菌によるプロバイオティクス効果(腸内バランスを改善し、抵抗力や免疫力を高める効果)が現れた事を示していると思われます。

図3

西田智「自然免疫を活性化する乳酸菌による感染予防」
第62回日本感染症学会東日本地方会学術集会
第60回日本化学療法学会東日本支部総会
第96回日本細菌学会関東支部総会 合同学会(2013)

「11/19-B1,Saline」の濃紺のラインはSurvival100%(水色のSalineと同じ)となります。
11/19-B1乳酸菌自体には毒性がない(カイコは死亡しない)ことを示しています。

※Salineは生理食塩水、MSSA1は黄色ブドウ球菌の株名です。

3は、11/19-B1乳酸菌ヨーグルトを餌として与えたカイコと与えていないカイコそれぞれに黄色ブドウ球菌を感染させ、その時点から100時間の生存率を示しています。 最終的に11/19-B乳酸菌ヨーグルトを与えていないカイコ(黄線)が全て死亡したのに対し、与えたカイコ(赤線)は約30%が生き残りました。
理由として、11/19-B1乳酸菌によってカイコの腸内環境が改善され、免疫力が高まったことが推察されています。

カイコを使った測定 

カイコとヒトの免疫系には共通性があり、カイコの免疫を活性化する物質は、ヒトの免疫も活性化すると期待されます。 関水博士は、細菌などの病原体がカイコ体内に侵入すると、カイコの免疫系が反応し、結果として筋肉が収縮する(体長が縮む)ことを確認しました(参考文献(3)(4))。これは免疫学における大きな発見です。この発見が、食品の免疫活性化作用の評価方法開発につながりました。

免疫活性化作用を評価するには、マウスの免疫担当細胞を用いる方法が一般的です。しかしその方法は、実験環境にごく僅かに存在するLPS(リポポリサッカライド)によって結果にブレが生じるという問題点があります。

一方、カイコを使った新しい評価法はそのようなブレがなく、その点で非常に優れていると言えます。
このカイコによる評価法により、あらゆる食品の免疫活性化作用が手軽に測定できます(参考文献(1))。これまでにブロッコリーなどの野菜、お茶、乳酸菌が高い免疫活性化作用を示すことが明らかになっています。

参考文献(論文内容については、株式会社ゲノム創薬研究所HPから引用)

(1)Sekimizu K, Hamamoto H. Using silkworms as a laboratory animal to evaluate medicines and foods. Drug Discov Ther. 2016 Feb;10(1):1-2. doi:10.5582/ddt.2016.01018.  医薬品や食品の評価を行う上でのカイコの実験動物としての有用性を示した。

(2)Nishida S, Ono Y, Sekimizu K. Lactic acid bacteria activating innate immunity improve survival in bacterial  infection model of silkworm. Drug Discov Ther. 2016 Feb;10(1):49-56. doi: 10.5582/ddt.2016.01022. 乳酸菌による自然免疫の促進により、カイコの細菌感染モデルにおける、宿主の生存が延長されることを示した。

(3)Ishii, K., Hamamoto, H., Kamimura, M. and Sekimizu, K. (2008) Activation of the silkworm cytokine by bacterial and fungal cell wall components via a reactive oxygen species-triggered mechanism. J. Biol. Chem., 283, 2185 – 2191.  カイコの自然免疫活性化により、筋肉収縮が誘導されること、並びにその分子機構を示した。

(4)Ishii K, Hamamoto H, Kamimura M, Nakamura Y, Noda H, Imamura K, Mita K, Sekimizu K. The insect cytokine paralytic peptide (PP) induces cellular and humoral immune responses in the silkworm Bombyx mori. J Biol Chem.285(37): 28635-42, (2010) カイコの麻痺ペプチドが、カイコの自然免疫に関与する様々な遺伝子の発現を導くことを明らかにした。

コラム

column

〜自然免疫のお話〜

「免疫」は、体に入ってきた細菌やウイルスなどの病原体や、

ガンなどの異常細胞を体から追い出すしくみです。

体には免疫を担当する専門の細胞がいて、私たちの健康を守ってくれています。

コラム

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〜自然免疫のお話〜

「免疫」は、体に入ってきた細菌やウイルス
などの病原体や、ガンなどの異常細胞を
体から追い出すしくみです。
体には免疫を担当する専門の細胞がいて、
私たちの健康を守ってくれています。

獲得免疫と自然免疫

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ヒトは、獲得免疫と自然免疫というふたつの免疫システムで体を守っています。
はしかにかかった人が二度とはしかにかからないことはご存じでしょう。これは体内に一度はしかウイルスが侵入したことで、はしかウイルスを認識して体から追い出すのに必要な「抗体」という物質ができるからです。この抗体による免疫は「獲得免疫」といい、一般に免疫と言えばこのことを指します。 獲得免疫はヒトを含む脊椎動物において、細菌やウイルスによる病気を防ぐために重要な役割を持っています。

 

一方、カイコなどの昆虫を含む無脊椎動物は抗体を作ることができません。しかし近年になって、抗体を持たない無脊椎動物にも免疫力があることが明らかになりました。この免疫は獲得免疫と区別して「自然免疫」と呼ばれます。自然免疫はヒトを含む脊椎動物にも存在しています。病原体が体内に侵入した時に獲得免疫より先に機能し、感染初期の防御に役立っています。

自然免疫では、血液やリンパ液に存在する白血球やリンパ球といった免疫担当細胞が体内の異物を認識することで、それを排除するための反応が起こります。細菌やウイルスなどの病原体だけでなく、もともと正常な細胞が変化を起こしてできたガン細胞なども異物として攻撃します。自然免疫は生物が共通して持つ感染防御システムで、獲得免疫と違って異物の種類を選ばないため反応が素早く、多くの病原体に対応できるのが特徴です。ヒト等の脊椎動物でも、感染初期の抵抗性、ガンや生活習慣病の予防、傷の修復などにおいては、特定の病原体だけに反応する獲得免疫よりも有効だと考えられます。


自然免疫の異常は様々な疾患を引き起こす原因となることから、その機能を適切にコントロールできる優れた薬や、自然免疫を活性化させる飲食品の開発が望まれています。